~~人が生きるうえで欠かせない「呼吸」、食事以上に気を使うべきは「空気環境」~~
空気…それは皆さんの最も身近に存在する、酸素・二酸化炭素・アルゴン・窒素といった気体の集合体です。目には見えず、触れることもできませんが、状況に応じて濃度に差はあれど水蒸気を含み、温度によって重さも変わります。同じ体積なら「暖かい空気は軽い」、逆に「冷たい空気は重い」といった性質を持っており、これを利用した乗り物が熱気球です。

空気の中でも人が生きていくうえで絶対に欠かせない気体が酸素です。人は24時間、寝ているときであっても常に呼吸しており、体の中で酸素を吸収し、二酸化炭素を吐き出しています。この酸素があることで食べ物に含まれる糖や脂肪などの栄養分を分解し、エネルギーを取り出す(好気性代謝)ことができるなど、生物の生命維持に欠かせません。そして実は、人は食べ物や飲み物の何倍もの酸素を含んだ空気を摂取しており、このうち呼吸により室内空気から取り入れる物質は、何と全体の約60%と圧倒的な割合を占めていることが明らかになっているのです。
常日頃から食事時に糖分や脂質の摂取を控えたり、定期的に運動するなど自身に健康に気を付けている方も多いでしょう。しかし、「健康」を口にするなら、先に示したデータのように最も注意すべきは「空気」であると言っても過言ではありません。

そもそも空気は、決して「キレイ」なわけではありません。前述したように酸素以外にも様々な物質が含まれており、地球規模で考えれば大気汚染もその一つです。自動車の走行時に排出される一酸化炭素や粉塵(アスベスト、セメント粉など)、248種類もある有害大気汚染物質にVOC(揮発性有機化合物)。
さらに私たちの身近なところでは、PM2・5や黄砂、花粉といった目に見えない微粒子も空気中を浮遊しています。水蒸気(湿度)も多ければ空気がジメジメして汗をかきやすくなったり、逆に少なければ空気が乾燥して体内の水分量も不足した状態となり、ドライアイ・肌荒れ・肌の痒み・喉を痛める等の症状を引き起こすなど、人体に様々な影響を及ぼすでしょう。


また、人が一度の呼吸で肺に取り込む空気量は、通常時で約500mlと言われています。これはちょうどペットボトル1本分で、運動時には1000mlにもなります。そして人は1分間に12~20回呼吸しており、1日に換算すると約2万~2万5千回、80歳まで生きると仮定すれば6億~7億回という途方もないほどの呼吸を繰り返していることになります。
例えば泥水の入ったコップを渡されれば、当たり前に私たちは飲むことを拒否するでしょう。しかし、汚れた空気だとしても目に見えず無臭であれば、呼吸することに対してためうら人は少ないと考えられます。これって、実はとても怖いことだと思いませんか。健康な体をつくる、子どもたちの健やかな成長を望むのであれば、人生において最も長い時間を過ごす住まいの「空気環境」こそ、最もこだわるべきなのです。

