長期優良住宅の認定制度が始まって約15年。国土交通省が2023年6月に公表した、2021年度の長期優良住宅の認定状況によれば、新築一戸建ては 27.7%と前年に比べて微増したものの、未だ3割に届いていません。この要因として「家づくりを検討中の方の認知不足(逆に言えば国の周知不足)」や「建材・資材に加え、様々な日用品の価格が高騰しているうえに、さらに性能を高めれば建築費用が増えて家計を圧迫する」といった不安があるのかもしれません。 しかし、実はこの長期優良住宅は「地域型住宅グリーン化事業」による補助金をはじめ、住宅金融支援機構の住宅ローン金利引き下げや住宅資金贈与の非課税枠の拡充(一般住宅の 場合は500万円、長期優良住宅なら1000万円)など、実はたくさんのメリットがあることでも知られています。様々な特例措置がこれだけ長く続いていること自体が異例ですが、それだけ長期優良住宅を「特別」ではなく、日本の住宅のスタンダードにしていきたい―そんな国の本気度が窺えます。
また、住宅を長持ちさせることのメリットは、これだけに留まりません。30 年での建て替えと、100年での建て替えを単純に比較すれば、ひと世代あたりの住居費負担の軽減が期待できます。そして住宅を購入または新築するために住宅ローンを組むのが一般的ですが、たった30年しか持たない住宅では、住宅ローンを完済したあとに、もう一度を新しい家を建てるために住宅ローンを組まなければならないのです。人生の勤続期間の大半を、住宅ローンに費やす…言い換えれば「住宅を建てるために仕事をしている」ことになってしまいます。住宅を長持ちさせることは、家計に占める住宅ローン返済費の割合を減らし、生活そのものを充実させることにも繋がるでしょう。

