家族の時間を増やす「アナログな暮らし」
薪ストーブが持つ+αの付加価値とは「コミュニケーション・ツール」としての役割です。スイッチ一つで温風が出るエアコンと違って、薪ストーブは非常に手間のかかるアナログなアイテムです。
まずは冬に備えた「薪の準備」です。大量の薪をストックしておく場所の確保、そして必要に応じて、火を熾しやすい大きさに薪を割らなければなりません。火を熾すのも、もちろん手作業。空気を調節しながら、ゆっくりと、炎を育てていきます。他にも、炉内の掃除や定期的なメンテナンス。かかる手間と労力は、エアコンの比ではありません。
「でも、これが楽しいんです」
自宅に薪ストーブを備える、とあるお施主さんは嬉しそうに言います。何度も書きますが、エアコンならボタン一つ。でも薪ストーブは、様々な作業が必要だからこそ、ご家族と協力して行うことで、自然とコミュニケーションを深める機会が増えるのです。
例えば、パパが庭で薪を割っている、薪ストーブで火を熾そうとしている…それを見た子どもたちが「僕(私)もやってみたい!」と駆け寄ってくる姿が、容易に想像できませんか?ご家族が力を合わせることで生まれる連帯感、一体感。苦労しながら暖を得ることで、一つの達成感も味わえるでしょう。